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法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正についての紹介

公認会計士協会(JICPA)は、法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」を改正しました。本研究報告は、監査契約書等を作成する際の実務上の参考となる様式や解説を示すものであり、今回の改正は近年の実務環境の変化を踏まえた重要なアップデートとなっています。

 

主な改正点は、AI条項の新設と東証ヒアリング等への対応(秘密保持条項の明確化)となっています。

AI条項が新設された背景としては、近年、企業が財務諸表や内部統制報告書の作成過程において、AI(生成AIを含む)を利用したアプリケーションやツールを使用するケースが急増しています。これらのツールは、意図せずとも財務情報に直接または間接的な重要な影響を与える可能性があります。

このため、改正後の研究報告では、監査契約の委嘱者に対し財務諸表等に重要な影響を及ぼす可能性のあるAIツールの利用状況について網羅的に情報提供する責任があることを明確化しました。併せて、監査約款における「委嘱者の責任」に関する解説と具体的な文例が追加されています。

 

また、東京証券取引所は、過去の会計不正事例を踏まえ、上場準備期間中の監査法人交代の経緯を必要に応じた前任監査人へのヒアリングを行う方針を明確にしています。また、主幹事証券会社による上場適格性調査においても、同様の対応が想定されています。これを受け、今回の改正では、監査契約書における秘密保持義務について前任監査人への情報提供やヒアリング対応を想定した解説および文例が新たに追加されました。

 

詳細は、日本公認会計士協会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

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