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2025年度版監査提言集の公表の紹介
日本公認会計士協会より、2025年度版の監査提言集が公表されました。監査提言集は監査実務の質的向上を目的とした重要な資料で、過去に実際に発生した不正会計や監査上の問題点を事例として取り上げ、それに対する監査人の対応、改善すべき点、そして今後の監査業務に活かすべき提言を体系的に整理しています。構成は「事例の概要」「取引の概要」「監査人の対応」「改善すべき点」「提言」「関連する実務指針等」となっており、各項目が簡潔かつ明瞭に記述されているため、実務者にとって非常に有用な内容となっています。
2025年度版では新規事例として、「過去に不正を実行した経営者の代表取締役への復帰」、「直送取引を利用した資金循環取引」、「内部統制のデザインの理解と不正リスクシナリオの設定」、「工事の進捗度に関連するコスト総額の見積り誤り」、「期中レビューにおける継続企業の前提に関する手続」、「非連結子会社を利用した売上架空計上」が追加されています。
また、監査調書の事後的な作成や改ざん等を理由に金融庁から行政処分を受けた事例があることから、巻末追加コラムにおいて、監査ファイルの適切な管理方法等の記載が追加されています。
詳細は、日本公認会計士協会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

