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「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等について

金融庁より、平成30年6月8日に「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等(平成30年4月13日公表)に対するパブリックコメントの結果等が公表され、同日付で「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等が公布されました。

 


1.本改正の概要

今回公布された「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等は、企業会計基準委員会(ASBJ)において、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等を公表したことを受け、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等」について所要の改正を行うものです。

 

〈公布された内閣府令等〉

 ・財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則新旧対照表
 ・連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則新旧対照表
 ・中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則新旧対照表
 ・中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則新旧対照表
 ・「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)新旧対照表
 ・「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(連結財務諸表規則ガイトライン)新旧対照表
・「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(中間財務諸表等規則ガイドライン)新旧対照表
・「中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(中間連結財務諸表規則ガイドライン)新旧対照表
・「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(四半期財務諸表等規則ガイドライン)新旧対照表
・「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(四半期連結財務諸表規則ガイドライン)新旧対照表

 

本改正では、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」に合わせる形で財務諸表等規則等において①注記事項の追加②注記・表示方法の削除を行っています。

 

①注記事項の追加

下記の注記事項が追加されます。

・顧客との契約から生じる収益については、財務諸表提出会社の主要な事業における主な履行義務の内容及び財務諸表提出会社が当該履行義務に関する収益を認識する通常の時点。なお、連結財務諸表において同一の内容が記載される場合には、財務諸表では前記の記載は要求されませんが、その旨を記載することが求められます。

 

②注記・表示方法の削除

下記の注記・表示方法が削除されます。

〈たな卸資産及び工事損失引当金の注記〉

・同一の工事契約に係るたな卸資産及び工事損失引当金を相殺しないで表示している場合 その旨及び当該工事損失引当金に対応する当該たな卸資産の金額

・同一の工事契約に係るたな卸資産及び工事損失引当金を相殺した差額を表示している場合 相殺している旨及び相殺表示したたな卸資産の金額

〈売上高の表示方法〉

総売上高の項目を示す名称を付した科目及びその控除科目として売上値引及び戻り高を示す名称を付した科目で掲記することができるとする規定

〈割賦販売売上高の表示方法〉

割賦販売売上高の表示を定めた規定

 

2.適用時期

企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等と同様の適用とされます。

 

なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

金融庁

https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20180608.html