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(Japanese only) 監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正について

(Japanese only)

日本公認会計士協会より、2020年5月22日に監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」の改正が公表されました。

 


1. 本研究報告の概要

本研究報告は、2019年2月27日付けで監査基準委員会から監査基準委員会報告書701「独立監査人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」等の改正が従来の監査報告書の記載内容に大きな変革をもたらすものと考えられるため、その背景や意図についてQ&A方式によって解説を提供し、新しい監査報告書の実務の定着を支援するために作成されたものです。

今回の改正は、新規上場の際に提出される有価証券届出書に関する、監査上の主要な検討事項(以下、KAMという。)の適用範囲に関する取扱いを明確にするために、所要の改正を行ったものです。

 

具体的には、2.監査上の主要な検討事項関係のQ&AのQ2-1監査上の主要な検討事項の適用範囲において、新規上場時の有価証券届出書に含まれる財務諸表の監査報告書でKAMの対象となる会社及びその記載の要否の取扱いが明確化されました。

 

新規上場時の有価証券届出書の監査報告書におけるKAMの対象となる会社(金額基準)

 

負債200億円未満

負債200億円以上

資本金5億円未満

KAMの対象外

KAMの対象

資本金5億円以上

売上高10億円未満

KAMの対象外

KAMの対象

売上高10億円以上

KAMの対象

KAMの対象

(「監査報告書に係るQ&A」から抜粋)

 

新規上場時の有価証券届出書に係る監査報告書におけるKAM記載の要否

 

2020年3月期(早期適用)

2021年3月期(強制適用)

2022年3月期

2023年3月期

〈パターン1〉

直前々期

直前期(最終事業年度)

申請期

 

一定規模以上か否か(※1)

一定規模以上

 

 

KAMの要否

KAM不要

KAM必要

 

 

〈パターン2〉

 

直前々期

直前期(最終事業年度)

申請期

一定規模以上か否か(※1)

 

一定規模以上

 

KAMの要否

 

KAM必要

(※2)

KAM必要

 

〈パターン3〉

 

直前々期

直前期(最終事業年度)

申請期

一定規模以上か否か(※1)

 

一定規模未満

 

KAMの要否

 

KAM不要

(※2)

KAM不要

 

(「監査報告書に係るQ&A」から抜粋)

※1一定規模以上か否かは、上場申請の直前期を基準に判断する。

※2直前々期が強制適用以後で、直前期が一定規模以上の場合には、直前期、直前々期いずれの監査報告書においても、KAMの記載が必要となる。一方、直前期が一定規模未満の場合は、直前期、直前々期いずれの監査報告書においても、KAMの記載は不要となる。

 

なお、本稿は本研究報告の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

日本公認会計士協会

https://jicpa.or.jp/specialized_field/20200522cth.html