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(Japanese only) 実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」等の公表について

(Japanese only)

企業会計基準委員会(ASBJ)より、2021年1月28日に実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」等が公表されました。

 

1.本実務対応報告の概要

2019年12月に成立した「会社法の一部を改正する法律」により、改正会社法において金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社が、取締役等の報酬等として株式の発行等をする場合には、金銭の払込み等を要しないことが新たに定められました。

本実務対応報告は、改正会社法により新たに定められた「取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行等をする場合」における会計処理及び開示を明らかにすることを目的としています。 

 

〈今回公表された実務対応報告等〉

・実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」

・改正企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」

・改正企業会計基準適用指針第8号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」

 

実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」の範囲及び会計処理の概要は、以下の通りです。

〈範囲〉

第1項(※1)に記載した取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行等をする取引に適用

〈会計処理〉

類型

会計処理の概要

事前交付型※2

新株発行

・取締役等に対して新株を発行し、これに応じて企業が取締役等から取得するサービスは、その取得に応じて費用として計上する。

・各会計期間における費用計上額は、株式の公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額である。株式の公正な評価額は、公正な評価単価に株式数を乗じて算定する。

・年度通算で費用が計上される場合は対応する金額を資本金又は資本準備金に計上し、年度通算で過年度に計上した費用を戻し入れる場合は対応する金額をその他資本剰余金から減額する。

自己株式の処分

・サービスの取得に応じて費用を計上し、対応する金額をその他資本剰余金として計上する。

・割当日において、処分した自己株式の帳簿価額を減額するとともに、同額のその他資本剰余金を減額する。

事後交付型※3

新株発行

・サービスの取得に応じて費用を計上し、対応する金額は、株式の発行等が行われるまでの間、貸借対照表の純資産の部の株主資本以外の項目に株式引受権として計上する。

・割当日において、新株を発行した場合には、株式引受権として計上した額を資本金又は資本準備金に振り替える。

自己株式の処分

・サービスの取得に応じて費用を計上し、対応する金額は、株式の発行等が行われるまでの間、貸借対照表の純資産の部の株主資本以外の項目に株式引受権として計上する。

・割当日において、自己株式を処分した場合には、自己株式の取得原価と、株式引受権の帳簿価額との差額を、自己株式処分差額として、自己株式等会計基準第9項、第10項及び第12項により会計処理を行う。

※1 2019年12月に成立した「会社法の一部を改正する法律」により、「会社法」(平成17年法律第86号)第202条の2において、金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社が、取締役等の報酬等として株式の発行等をする場合には、金銭の払込み等を要しないこと

※2取締役の報酬等として株式を無償交付する取引のうち、対象勤務期間の開始後速やかに、契約上の譲渡制限を付した株式の発行等を行い、権利確定条件が達成された場合に譲渡制限が解除され、権利確定条件が達成されない場合には企業が無償で株式を取得する取引

※3取締役の報酬等として株式を無償交付する取引のうち、契約上、株式の発行等について権利確定条件が付されており、権利確定条件が達成された場合に株式の発行等が行われる取引

 

2.適用時期

実務対応報告第41号は、改正法の施行日である2021年3月1日以後に生じた取引から適用されます。また、改正企業会計基準第5号及び同第8号は、2021年3月1日以後終了する連結会計年度(四半期連結会計期間)及び事業年度(四半期会計期間)に係る連結財務諸表(四半期連結財務諸表)及び財務諸表(四半期財務諸表)から適用されます。

 

なお、本稿は本実務対応報告の概要を記述したものであり、詳細については下記をご参照ください。

企業会計基準委員会(ASBJ)

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/practical_solution/y2021/2021-0128.html