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(Japanese only) 令和6年度開示検査事例集の公表の紹介

(Japanese only)

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)より、令和6年度開示検査事例集が公表されました。

 

本事例集は、粉飾決算や有価証券報告書の虚偽記載といった開示規制違反の早期発見、再発防止、未然防止を目的としています。これらの違反は、投資者に損害をもたらすだけでなく、企業自身の信用、ひいては日本の証券市場の信頼を損なうものです。証券監視委は、開示検査を通じて判明した違反の内容、その背景・原因を事例ごとに紹介し、上場会社、会計監査人、投資者等との対話を促すことで、違反の未然防止・再発防止に繋がることを期待しています。

 

最近の開示検査の取り組みとして証券監視委は、多様化する開示規制違反(財務情報の虚偽記載、非財務情報の虚偽記載、特定関与行為、大量保有報告制度違反など)に対し、早期発見・是正、再発防止・未然防止を目的とした取り組みを強化しています。

 

令和6年度に終了した開示検査22事案(25件)のうち、13事案(16件)が終了し、11事案(14件)で課徴金納付命令勧告が行われました。令和6年度の勧告事案の特色としては、次のようなものが挙げられます。

 

① 共同保有者を認定した大量保有報告制度違反

② 「関連当事者との取引」や「偶発債務(債務保証)」の注記の不記載等

③ 投資有価証券(暗号資産への転換可能社債)評価損の不計上や暗号資産の過大計上等

 

そして、本事例集では、令和6年度に勧告を行った具体的な事例が多数紹介されています。以下に主要な点を抜粋します。

 

① 事例1・事例2:大量保有報告書制度違反

② 事例3:長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額の不計上

③ 事例4:営業外収益の過大計上

④ 事例5:ソフトウェア仮勘定の過大計上

⑤ 事例6・事例7:注記の不記載

⑥ 事例8:売上の過大計上

⑦ 事例9:投資有価証券評価損の不計上

⑧ 事例10:減損損失の不計上

 

事例集には「監視委コラム」も掲載されており、最近の制度改正や開示実務のポイントについても詳しく解説されています。特に、財務諸表の注記の必要性や、大量保有報告制度の動向など、実務に役立つ情報が満載です。

 

詳細は、証券取引等監視委員会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

「令和6年度 開示検査事例集」の公表について