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令和7事務年度監査事務所等モニタリング基本計画の紹介
公認会計士・監査審査会は、令和7事務年度(2025年7月〜2026年6月)における「監査事務所等モニタリング基本計画」を公表しました。本計画は、監査の信頼性と品質を確保するための重要な枠組みであり、監査法人の業務管理・品質管理・個別監査業務に対する検査方針が明確に示されています。
以下は、令和7事務年度「監査事務所等モニタリング基本計画」の主要項目とその簡単な説明です。
第1章:監査事務所をめぐる環境
(1) 監査業務の動向
監査法人のシェア構造や監査人交代の状況を分析。中小監査事務所の支援策も紹介。
(2) 不適切会計事案の状況
不正会計の手口や発生要因を整理し、監査人の対応力強化の必要性を指摘。
(3) 会計・開示をめぐる動向
サステナビリティ情報開示や有価証券報告書の早期開示に関する制度整備の進展。
(4) 監査の品質確保に向けた取組
登録制度、品質管理基準の改訂、ガバナンス・コードの適用状況などを解説。
(5) 品質管理上の課題
監査事務所の総合評価と、規模別の課題(大手・準大手・中小)を明示。
(6) 国際的な監査監督機関等の動向
国際機関との連携やグローバルな品質向上の取り組み。
第2章:モニタリングにおいて重視する事項
ア 業務管理態勢
経営層のリーダーシップ、ガバナンス、改訂版コードの遵守状況などを検証。
イ 品質管理態勢
改訂品質管理基準の運用、監査資源の確保・育成、契約の経緯など。
ウ 個別監査業務
不正リスク、収益認識、会計見積り、KAM、注記の監査手続など。
エ その他
サステナビリティ保証業務、IPO企業対応、デジタル監査ツールの活用状況。
第3章:モニタリング基本計画(検査以外)
(1) 協会の品質管理レビューの検証・連携
協会との情報共有やレビューの実効性向上。
(2) 報告徴収
監査事務所からの情報収集と改善促進。
(3) 情報収集・分析・対話
監査事務所や関係機関との対話を通じたモニタリング。
第4章:検査基本計画
(1) 実施頻度・方法
大手・準大手は2年に1回、中小は必要に応じて。対面とリモート併用。
(2) 業務管理態勢の重点項目
経営層の姿勢、ガバナンスの実効性など。
(3) 品質管理態勢の重点項目
品質管理システムの整備、監査資源の配分、倫理規則の遵守など。
(4) 個別監査業務の重点項目
不正リスク、収益認識、見積り、KAM、注記の監査手続。
(5) 外国監査法人等への検査
国際連携を踏まえた検査方針。
第5章:モニタリング情報の提供
ア 検査結果の監査役等への伝達
企業のガバナンス強化に資する情報提供。
イ モニタリングレポートの公表
検査結果の分析と業界へのフィードバック。
ウ 検査結果事例集の作成・公開
実際の指摘事例を通じた啓発と改善支援。
詳細は、公認会計士・監査審査会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

