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(Japanese only) 監査基準報告書560周知文書第1号「事後判明事実への対応に関する周知文書」の公表について

(Japanese only)

日本公認会計士協会(JICPA)は、監査基準報告書560周知文書第1号「事後判明事実への対応に関する周知文書」を公表しました。

 

監査報告書日現在に気付いていたとしたら、監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実である事後判明事実への対応について、従来から監査基準報告書 705 周知文書第2号「監査意見不表明及び有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出時期に関する周知文書」が公表されていましたが、当該周知文書においては、進行年度に意見不表明とした後で、十分かつ適切な監査証拠が入手できず、過年度の有価証券報告書等を訂正すべき内容が確定できないケースについて明確な対応方法が示されていなかったため、監査基準報告書560周知文書第1号では、監査基準報告書705周知文書第2号が想定する場合を含め、事後判明事実への対応例及び留意すべき事項を示しています。

 

 主な内容としては、以下の通りです。

 

1.事後判明事実に関連する監査基準報告書560「後発事象」の要求事項の紹介

事後判明事実に関連するものとして、監基報560第13項、監基報560第14項、監基報560第16項参照、監基報560のA15項参照が示されています。

 

2.事後判明事実への対応例

(1) 訂正の要否に関する十分かつ適切な監査証拠が入手でき、監査人と経営者がともに訂正が必要であると判断する場合

 経営者は最善の努力を尽くして訂正後の財務諸表を作成すること、監査人は監査手続の実施により十分かつ適切な監査証拠を入手した上で監査報告書を提出する旨が示されています。また例外的な状況において、監査報告書日後に新たに若しくは追加的に監査手続を実施する場合や新たな結論を導き出す場合の対応例が示されています。

 

(2) 訂正の要否に関する監査証拠が十分かつ適切に入手でき、訂正について監査人は必要と判断したものの、経営者が不要と判断する場合

以前に提出した財務諸表に対する監査報告書への利用者の依拠を防ぐための措置に関する予備的な通知及び実施を行う旨が示されています。

 

(3) 監査進行年度において提出期限までに訂正の要否に関する監査証拠が十分かつ適切に入手できず、訂正の要否が判断できない場合

監査基準報告書705周知文書第2号は、提出期限時点では進行年度は意見不表明であっても、その後、監査人が十分かつ必要な監査証拠を入手することが可能で、進行年度及び過年度の財務諸表の訂正の要否が明らかになることを前提していることを示しています。

 

(4) 提出期限後に調査を継続しても、訂正の要否に関する監査証拠が十分かつ適切に入手できず、最終的に訂正の要否が判断できない場合

 以前に提出した監査報告書が訂正されずにそのまま利用されることで、財務諸表の利用者の意思決定に重要な影響を及ぼす可能性のある場合には、過去に表明した監査意見を変更し、意見不表明の監査報告書を改めて提出することを検討することが考えられる旨が示されています。

 

(5) 重要な虚偽表示が存在することについて十分かつ適切な監査証拠が入手できず、当年度の財務諸表の訂正の要否が判断できない場合-前任監査人との協議-

 監査人の交代後、当年度の財務諸表の監査に関連して、前任監査人が過年度の財務諸表に関する事後判明事実を知る場合の対応例が示されています。

 

詳細は日本公認会計士協会の公式ウェブサイトにてご確認いただけます。

 

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