2026.10/30
業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正の紹介
日本公認会計士協会は、業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正を公表しました。また同月、本実務指針の改正に関する解説資料もあわせて公表されています。
本改正は、投資事業有限責任組合(LPS)をめぐる環境変化や関連規則の整備、実務の多様化に対応するものです。特に、2025年3月の移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」の改正や、同年6月の「投資事業有限責任組合契約書例及びその解説(令和7年版)」の公表等を受け、組合員の財務情報に対するニーズや昨今の業界実務との整合性を図るための見直しが行われました。
主な改正内容としては、LPSの存続期限における投資の評価方法の取り扱いが整理・明確化されたことが挙げられます。改正前は、組合契約で投資の評価方法を「時価」としている場合でも、存続期限の直前期や到来期において、処分可能価額が時価と大きく乖離する場合には、早期換金化による流動性リスクを加味した評価額等に変更することが求められていました。しかしこの取り扱いは、「投資に係る資産は組合契約に定めるところにより評価しなければならない」とするLPS法施行規則第11条第4項の規定と矛盾する可能性がありました。
今回の改正により、組合契約で投資の評価方法を「時価」としている場合は、直前期や到来期等においても、あくまで契約に従い「時価」による評価が行われる必要があるとされました。ただし、早期換金化の必要性等により、清算時の処分可能価額の合理的な見積額が時価と大きく乖離する場合には、財務情報の想定利用者のニーズを満たすため、処分可能価額の合理的な見積額およびその評価方法を注記することが必要と規定されています。
また本改正では、用語の整理や明確化(「有責組合」から「LPS」への変更等)、未実現損益と減損の取り扱いの整理、成功報酬とキャリード・インタレストの区分処理の明確化なども行われています。
本改正は、実務上の影響を緩和するため、原則として2027年1月1日以後開始する事業年度または会計期間から適用されます(ただし、早期適用も認められます)。
詳細は、日本公認会計士協会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。
「業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計上及び監査上の取扱い」の改正」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について | 日本公認会計士協会


