2026.09/18
令和8事務年度監査事務所等モニタリング基本計画の紹介
2026年7月17日、公認会計士・監査審査会は、「令和8事務年度監査事務所等モニタリング基本計画」を策定し公表しました。本計画は、監査の品質確保と実効性の向上を図るため、監査事務所をめぐる環境や課題を踏まえ、令和8事務年度(2026年7月〜2027年6月)における検査等のモニタリング活動の基本方針を示すものです。
本基本計画の主な内容は以下のとおりです。
・監査事務所をめぐる環境と課題:
上場会社監査において大手監査法人のシェアが9割を超える一方で、監査人の交代により準大手や中小規模監査事務所へのシフトが続いています。また、近年増加傾向にある不正会計事案(架空仕入や売上の過大計上等)を背景に、事業特性を深く理解した上での職業的懐疑心の発揮や、内部統制の評価見直しが一層求められています。品質管理上の課題として、大手監査法人における改善施策の現場への浸透不足や、準大手・中小規模事務所における経営層のリーダーシップ不足、監査基準の理解不足などが指摘されています。
・モニタリング基本計画と重視する事項:
オンサイト(検査)とオフサイトのモニタリングを有機的に連動させ、リスクベースで検査を実施する方針が掲げられています。大手監査法人には通年モニタリング、準大手は原則2年に1回のフルスコープ検査、中小規模事務所はリスクベースで検査先を選定します。
また、特に重視して検証する事項として以下が挙げられています。
(1) 業務管理態勢:監査法人のガバナンス・コードに沿った体制整備、経営層のコミットメント。
(2) 品質管理態勢:品質管理システムの実効性や整備・運用状況、監査資源の確保・配分、新規契約・解除の経緯、審査の実効性、監査調書の管理状況など。
(3) 個別監査業務:不正リスクへの対応、収益認識や会計上の見積りに係る監査、グループ監査の実施状況、監査上の主要な検討事項(KAM)への対応状況。
(4) その他:デジタル技術やAIを活用した監査ツールの導入状況、サイバーセキュリティ対策の実施状況、IPO準備会社に対する監査業務の提供状況など。
・モニタリング情報の提供:
検査結果事例集やモニタリングレポートの公表を通じて、市場関係者等に対する監査の理解促進を図り、英訳版による海外への情報発信にも引き続き努める方針が示されています。
詳細は、金融庁(公認会計士・監査審査会)の公式ウェブサイトでご確認いただけます。


