八重洲監査法人からのお知らせ

2026.10/06

監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」の改正(公開草案)の公表について(2026年8月10日)

日本公認会計士協会(JICPA)は、監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」の改正(公開草案)を公表しました。

本公開草案は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が2025年7月に公表したISA 240(Revised)に対応するためのものです。企業の倒産や不祥事が相次ぐ中で、財務諸表監査における不正に関する監査人の役割について利害関係者から疑問が呈されていることを背景に、不正に関する監査人の責任の明確化が図られています。現行の監査基準報告書240から大幅な項目の追加・削除等が行われているため新旧対照表は作成されておらず、改正内容は参考資料「監査基準報告書240の改正(公開草案)の概要」に整理されています。

主な改正点は以下のとおりです。

・不正又は不正の疑いへの対応:監査人が直接識別したものに加え、企業内外からの申立て等も含めて、経営者や監査役等への質問、企業の調査プロセスや是正措置の評価等を行うことが新たに求められています。

・リスクの識別と評価:不正リスク要因の存在を監査の全過程を通じて注意深く検討するとともに、経営者による内部統制の無効化に関するリスクを財務諸表全体レベルのリスクとして位置付けています。

・リスク対応手続:監査手続に企業が想定しない要素を組み込むことが求められるとともに、記録の真正性について疑いを抱く理由がある場合の例示が追加されています。

・監査役等とのコミュニケーション:監査の全過程を通じた継続的なコミュニケーションが強調されるとともに、報告の対象が「明らかに軽微なもの」を除く事項へと拡大されています。

・監査上の主要な検討事項(KAM):不正に関連する事項を特に注意を払った事項として明確化し、適切な小見出しを付して記載することが求められています。

・職業的専門家としての懐疑心:経営者のアサーションを支持する方向への偏りの排除が求められるとともに、監査証拠の真正性に関する一般的な前提についての記載が見直されています。

また、不正リスク対応基準に関連する詳細な要求事項は引き続き日本独自の「F」項等として記載される一方、ISA 240の改訂により不要となる日本独自の項目は削除されています。あわせて、監査基準報告書(序)、200、315、330、700、701等、34本の監査基準報告書及び実務指針等の適合修正も提案されています(意見募集期限は2026年9月10日)。

詳細は、日本公認会計士協会の公式ウェブサイトでご確認いただけます。

監査基準報告書240「財務諸表監査における不正」の改正(公開草案)の公表について | 日本公認会計士協会